インターネット業, サービス利用契約, 申込書, 秘密保持契約書, 締結件数非公開

事業承継問題を解決する「ビズリーチ・サクシード」が、クラウドサインとAPI連携

 

株式会社ビズリーチ
インキュベーションカンパニー 事業承継M&A事業部 事業開発部 部長 前田 洋平様
事業承継M&A事業部 UXグループ プロデューサー 髙橋 與策様

UI/UXにこだわりのある自社サービスにフィットさせられる点が決め手に

ビズリーチ様といえば、中途採用のサービスでよく知られているかと思います。今回クラウドサインとAPI連携していただいた「ビズリーチ・サクシード」は、それとは異なるM&Aを支援するプラットフォームですね。どのようなサービスなのか簡単に教えていただけますか

高橋様
ビズリーチは、「インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく」ことをミッションに掲げ、インターネット上のプラットフォームを通じた即戦力人材の採用支援に取り組んでまいりました。

おかげさまで首都圏の企業様だけでなく、全国で採用のご支援をさせて頂けるようになったのですが、そのなかで特に地方の中小企業様では、人手不足や高齢化などによる事業承継問題が非常に大きくなってきていることがわかりました。

「ビズリーチ・サクシード」はそうした課題から生まれた、譲渡企業(売り手企業)様と、譲り受け企業(買い手企業)様とを繋ぐ事業承継M&Aプラットフォームです。

私は、そのプロジェクトマネージャーとして、「ビズリーチ・サクシード」の開発に携わっています。

株式会社ビズリーチ 事業承継M&A事業部 UXグループ プロデューサー 髙橋 與和様

株式会社ビズリーチ 事業承継M&A事業部 UXグループ プロデューサー 髙橋 與策様

企業の事業承継問題を解決するサービスということですね。

高橋様
はい。事業承継には、大きく分けると3つの選択肢があると言われています。(1)親族承継、(2)外部人材の登用、(3)第三者承継、というものです。

当社は、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」を通じて、(2)外部人材の登用を支援してきました。それを活かして(3)第三者承継を支援するために、企業様同士が直接出会える事業承継のプラットフォームができないかと考えました。

そうして2017年11月に「ビズリーチ・サクシード」をスタートして1年余りが経過しました。サービス自体の反響はいかがですか。

高橋様
はい、有難いことに多くの反響を頂いています。特にM&Aの業界は商慣習として“譲渡企業様から譲り受け企業様にアプローチする”のが基本なのですが、「ビズリーチ・サクシード」のように”譲り受け企業様が譲渡企業様を探してアプローチする”体験が珍しかったこともあって、特に譲り受け企業様からの反響が大きかったです。アカウント登録いただいている譲り受け企業数は2019年2月時点で累計2,300社を超えました。

前田様
事業承継M&Aの領域では、譲渡ニーズが顕在化しづらいと言われています。それを可視化することで、譲渡企業様と譲り受け企業様がともに経営における可能性と選択肢を最大化できるようなサービスでありたいと考えています。

株式会社ビズリーチ インキュベーションカンパニー 事業承継M&A事業部 事業開発部 部長 前田 洋平様

株式会社ビズリーチ インキュベーションカンパニー 事業承継M&A事業部 事業開発部 部長 前田 洋平様

企業と企業の仲介は、とりわけ地方においてはこれまで銀行の役割であることが多かったかと思います。

高橋様
はい、会社を譲りたいと考えるときに、まず相談するのはどこだろうと考えると、お付き合いがある地元の金融機関様になることが多いと思います。ですので、譲渡案件を募ろうと思ったとき、そういった金融機関様、さらに仲介会社様といった、アドバイザーの皆様との連携は不可欠です。

「ビズリーチ・サクシード」では、譲渡企業様が直接登録する方法と、地方銀行やM&A仲介会社などのアドバイザー様が代理登録する方法があります。アドバイザー様のご活用が後押しとなり、日本最大級の譲渡案件を掲載するプラットフォームとなっています。

「ビズリーチ・サクシード」はシステムを外注ではなく自社で内製していると伺っています。

高橋様
事業部としては現在、30名弱が所属していますが、エンジニアとデザイナーがそのうち4分の1ほどを占めていて、プロダクトのほぼ全てを内製していますね。

前田様
インターネットのサービスはいかにPDCAを回していくか、いかにユーザー様のインサイトに沿った開発をしていくか、というのが1つのキーだと思います。それを推進するためには、内製するのがポイントであると考えています。

「ビズリーチ・サクシード」にクラウドサインを導入していただいた理由を教えてください。

高橋様
決め手はいくつかあります。クラウドサインの導入が当時すでに2万件を超えていて(現在は4万件超)、確かな実績があったこと。また、利用料金の面でも、電子契約書の送信件数単位での従量課金は、当社の事業構造上管理しやすいこともありました。

開発視点では、API連携で自社プロダクトと連携できるところも利点です。ビズリーチはどのサービスでもUI/UXに関してはこだわりがありまして、そこにフィットさせられる点も決め手になりました。また、既存の事例を拝見する中でうまく連携されている事例もあったので、我々のイメージ通りに実現できるだろうという想像がしやすかったことが大きいですね。

具体的には現在どの部分でクラウドサインを利用されていますか。

高橋様
1つは、譲り受け企業様が「ビズリーチ・サクシード」に登録する際の利用申込書です。M&Aの性質上、非常に秘匿性の高い情報をやりとりするプラットフォームなので、譲り受け企業様の登録時は必ず審査を行なっています。

審査通過後に譲り受け企業様に対して本契約の申し込み手続きをしていただく流れになっており、この利用申込書の回収でクラウドサインを活用しています。従来は紙書類、もしくはそれをベースにしたPDFファイルをやりとりする形でした。

2018年10月に導入を開始して以来、電子契約は我々の想定以上にユーザー様に活用いただいています。開始してからすぐ、今まで紙書類でやりとりしていたものの半分が電子契約に切り替わりました。今月2019年1月の実績で言えば、9割を超えています。

お客様が経営者自身であることも、電子契約の利用率が高い理由でしょうか。

高橋様
「ビズリーチ・サクシード」をせっかく使おうと思って登録をいただいても、審査で少しお待たせすることになります。譲り受け企業様に関しては、ユーザーの6割以上が経営層の方となるため、お忙しい経営者のためにも、その後の手続きはなるべく短縮したいと考えました。電子契約にすることで、否定的なお声もあがるかもしれないと考えていましたが、ほぼありませんでした。実際に、ユーザー様のご利用が紙から電子契約に移り変わっているということは、おそらくユーザー体験としてはかなりスムーズなのだろうと想像しています。

「ビズリーチ・サクシード」上で企業間のNDAを締結されるお客様にも、ご活用いただいていますね

高橋様
はい、譲渡企業様と譲り受け企業様のNDA締結で活用をしています。マッチングをしたあとに、M&Aの交渉をする際、譲渡企業様の詳細な事業内容や財務情報などの詳細を知るためにNDA(秘密保持契約)を結ぶことになります。そのNDAをオンラインですばやく締結していただけるよう、2018年11月からクラウドサインを採用しています。

「ビズリーチ・サクシード」には譲渡企業様が譲り受け企業様とコミュニケーションできるメッセージ機能が実装されています。この画面から直接、クラウドサインとのAPI連携で交渉中の企業間でのオンラインNDAを締結することができるように開発しました。

「ビズリーチ・サクシード」の売り手側の画面(サンプル)

「「ビズリーチ・サクシード」の譲渡企業側の画面(一部抜粋)

NDA締結機能を導入して、手応えとしてはいかがですか。

高橋様
NDAを締結するというのは、企業同士が交渉を進めていくうえで必ず通るステップですから、契約書とはいえ基本的には定型業務となります。定型化されている業務なのであれば仕組化できるのではないかと考えて、導入しました。

「ビズリーチ・サクシード」は譲渡企業様と譲り受け企業様を繋ぐサービスですが、実際にM&Aが成立するところまで実現して初めてサービスとしての価値が生まれると考えています。そういう発想でいくと、NDAという必ず通る交渉ステップをどれだけ効率化できるかは重要です。

もちろん、オンラインで電子契約したことのない企業様もいらっしゃいますから、まれに使い方がわからないというお問い合わせもいただきます。そういった場合にも、クラウドサインであれば、オンラインで操作が完結するため、電話で画面を見てもらいながらお客様にご説明しながらご案内をしやすいですね。

実際のところ、クラウドサインにしてNDA締結にかかる期間は平均的にどれくらい短縮できたでしょうか。

高橋様
クラウドサイン導入前から、企業様同士がメッセージをやりとりするときにサイト上にファイルを添付できるようになっていました。ただ、文書ファイルで「このNDAを確認してください」というやりとりが始まると、最後は「紙で締結しましょう」となり、押印した原本を郵送などでやりとりすることも考えると、どんなに早くても数営業日から1週間はかかってしまっていました。

現在では、「ビズリーチ・サクシード」上でNDA締結のやり取りをする企業様のうち、およそ2〜3割の企業がクラウドサインを活用してオンラインでNDAを締結しています。そのやりとりの期間を確認してみると、それこそたったの30分で締結が完了している例もあります。M&Aにおいてどれだけリードタイムの短縮に繋がったのか、今後数字として追っていくことができそうです。

なによりメリットが明確なのがいいですね。手軽で早いだけでなく、契約書の保管問題の解決にもつながります。永続的にファイルとして保管されますので、紙よりこの方が保管もラクで紛失リスクも低く安心です、というお話をさせていただいています。

クラウドサインについて改善の余地がありそうなところは?

高橋様
基本的にはAPI連携で利用していまして、「ビズリーチ・サクシード」のサービス内でほとんどの操作が完結するように設計しているのですが、例えば契約書の同意確認はクラウドサイン側で操作する点など、ユーザー体験が途切れてしまうポイントがいくつかありますね。そこをどれだけ違和感のないUXにできるのか、「ビズリーチ・サクシード」側でも引き続き考えていかなければならない課題です。

今後の事業の展望と、クラウドサインの活用プランについて教えてください

高橋様
M&Aの交渉が始まってから終わるまでの長いステップのなかでは、いろいろな書類のやりとりがあります。NDAだけでなく、基本合意書、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)契約締結サポートなども含め、スムーズな事業承継が実現できるよう、クラウドサインを活用させていただきたいと考えています。